前会長 退任の挨拶

     井上洋一(奈良女子大学)
(前会長)


 2016年末から3年間、斎藤、桂の両副会長、とくに川井事務局長そして合田、高松、堀田事務局次長を中心に、理事、事務局員、そして会員の皆さんに本当に多くのことで支えられてまいりました。この度無事に退任することができましたこと、大変感謝申し上げます。


この3年間の夏期合同研究会と学会大会のテーマは、以下のようなものでした
 スポーツの頭部外傷と脳震盪(福井大2017.6)
 アスリートの権利保護(同志社大2017.12)
 子どものスポーツと権利を考える(鹿屋体大2018.6)
 日本のスポーツとジェンダー-国際的視点から見た課題(同志社大2018.12)
 スポーツ団体の民主的運営とガバナンス(長岡2019.7)
 競技団体の民主的運営-国際的動向と日本の課題-(同志社大2019.12)


このように、スポーツ現場での現実的な課題そして東京2020オリンピック・パラリンピック大会を目前にしての長年の課題であるスポーツ界の改革について検討してきました。いずれも重要なものであり、これらの解明、検討をさらに進めてゆくことが求められます。


さて、現在の新型コロナウイルスの感染爆発により、スポーツ界にとっては東京2020オリンピック・パラリンピック大会の延期ばかりでなく、学生のスポーツ、企業スポーツ、プロスポーツの活動停止、そして、まさに私たち市民のスポーツ活動そのものが奪われるような大変困難な状況が生まれています。これにより、競技スポーツ、市民スポーツすべてを支える多くの部門に甚大な影響が考えられます。


すでに、この困難に対して、日本スポーツ法学会は何が貢献できるかが、斎藤健司会長のもと新体制で議論され始めています。否応にも、国際的課題とともに、国内の競技団体の課題は膨れ上がり、また一方で身近なスポーツの機会をどのように保障してゆくかが求められてくるでしょう。これらの課題に対して、日本スポーツ法学会らしく公平・公正と安全の視点から地道に貢献できることを期待しています。

2020年4月